【保存版】墓石の選び方が分からない!失敗しないために知っておくべき墓石の知識

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お墓を建てる方が迷ってしまいやすいポイントのひとつに、墓石をどう選べば良いのか分からない、というものがあります

お墓の形であったり、墓石として使用する石の種類であったりと、決めなければいけない事柄は多岐にわたるので、混乱してしまう方もいらっしゃることでしょう。しかしこればかりは「すべてお任せで」という訳にはいきませんね。

そこで今回は、墓石の選び方について気を付けるべき点を徹底解説いたします。今まさに墓石を建てようとしている方や、将来のお墓を検討されている方は、ぜひご一読下さい

デザインの種類

まずはお墓の外観について見ていきましょう。

昨今、お墓のデザインには様々なものがありますが、大別すると以下の3種類になります。

  • 和型墓石
  • 洋型墓石
  • デザイン墓石

それぞれがどのような特徴を持っているのか、また宗派によっては避けた方が良いものがあったりするのか等について、詳しく解説してまいります。

和型墓石

和型墓石は昔からある最もオーソドックスなお墓の形状です。仏教や神道などで長く使われてきた歴史を持つ墓石形状であることから、和型と呼ばれています。

家名や各宗派のお題目が刻まれた、縦に細長い角柱状の棹石を持っているのが特徴で、その下に何段かの石材が積み重ねられ、全体的に末広がりの形を為しています

地域や、または宗教によって細部の造形に差がみられますが、各部材の形や大きさはある程度比率が決まっていることが多く、どの和型墓石もシルエットに大きな違いはありません。

なお、角柱型の棹石だけでなく、位牌を模した形状をしているものも和型墓石に含める場合があります。

棹石
お墓の一番上に乗っている石。お墓で最も重要な部位であり、宗教によってはこの棹石に魂や念を込めます。竿石と書いたり、軸石と呼ぶ地域もあります。

洋型墓石

ある程度形状の決まっている和型墓石と違い、自由な意匠を取り入れて作られたお墓のことを洋型墓石と呼びます

一般的には横に長い棹石を持つことが多いのですが、形状の制約は特に無く、縦長のものや曲線を多用したものなど様々な趣向を凝らした墓石を見ることができます。洋型と分類してあるものの、ヨーロッパやアメリカのお墓ともまた違いますので、日本で独自に進化を遂げた形式のお墓と言えますね。

かつてはキリスト教のお墓というイメージが強かったこの洋型墓石ですが、最近では宗派を問わず選ぶ方が増えてきています。

ちなみに寺院墓地などの一部では、この洋型墓石や次に紹介するデザイン墓石の建立を認めていないところが存在するので、注意しておきましょう

デザイン墓石

デザイン墓石とは、依頼者の希望通りにいちからお墓の形状を作り上げるものを指します

施主と石材店が話し合いを重ねながらデザインを設計していくため、他のものに比べると納期や費用は多めにかかってしまいます。しかし、この世にたったひとつのオリジナルな墓石となりますので、満足度が高いお墓に仕上げることができる点が大きな魅力ですね

また将来的に自分が入るお墓の建立を子どもたちに任せるのではなく、生前に自ら設計し建てておくことで、思い描いた通りのお墓を作ることができます。

そのような理由から、ピアノやバイクといった趣味性の高いものや、形や素材にこだわった個性的なものが多く見られます

石材の種類

お墓に用いられる素材は、御影石が最も一般的なものとなっています

御影石とは、地下のマグマが高い圧力を受けながらゆっくりと冷えていってできあがった石のことで、その堅牢性から墓石に最適な素材とされています

かつてはその硬すぎる性質から微細な加工を行うことが難しかったため、御影石ではなく、砂岩や石灰岩といった比較的柔らかい石が墓石に多く使われていた時期もありました。

しかし道具や技術の進歩とともに、より硬い石材の加工が可能となり、現在ではお墓の大部分が御影石で作られるようになったのです。御影石は国内外を問わず様々な地域で採掘されていて、産地により色や硬さ・吸水性などに個性が出ます。

墓石として使用される石材には特に高いクオリティが求められますので、採取された全ての御影石がお墓用となるわけではありません。その水準に達していないものは、建材用など他の用途に使われます。

現在、お墓の製作には多種多様な石種が用いられていますが、そのほぼ全てが厳しい基準をクリアしたものになるのですね

ちなみにこの御影石、正式には花崗岩(かこうがん)という名称であることはご存知でしょうか。花崗岩が墓石として使われ始めた時代に、兵庫県の御影地方で採れる石が良質で有名だったため花崗岩の代名詞的存在となり、広く御影石という呼び名が定着したのです。

現在では御影地方で花崗岩の採掘は行われていませんが、ごく僅かながら在庫が存在し、「本御影石」という名前で今でも流通しています。

一部の斑レイ岩や閃緑岩も御影石と呼ぶ場合があります

国産の有名な石材

日本国内では、各地で墓石用石材として様々な御影石が産出されています青御影石と呼ばれるグレー系のものを中心に、黒御影石や桜御影石、白御影石などその色合いは多岐にわたります

しかし御影石は比重が2.5~3.0(1立方メートルあたり2.5~3.0トン)と非常に重いことから、流通が発達していなかった時代には遠方へ運ぶことが難しく、近場で採取されたものを墓石として使用するのが一般的でした。

そういう事情から、当時使われていた石種には、地域ごとに自然と偏りが発生します。例えば関東近辺では浮金石などの黒御影石が採れる地域が多く、昔から和型墓石に黒い石がよく使われていました

逆に関西近辺では黒御影石の産出がほぼなく、青御影石の代表格である大島石がよく流通していたため、お墓=青御影石という認識が広まったのです

現在では流通コストも下がり、重い御影石を遠方から運ぶことが容易になったため、当時ほど地域ごとの特色は強くありません。

ですが今なお、関東周辺では様々な色の石が使われているのに対し、関西では青御影石の墓石が圧倒的に多いという傾向が見られます。そういった歴史的な観点から墓地全体を見渡してみると、面白い発見があるかもしれませんね。

そんな数ある国産の御影石のなかから、代表的なものを以下に見ていきましょう。

地域によってはグレー系の御影石を白御影石と呼ぶ場合もあります。

庵治石(あじいし)・香川県

庵治石にはその石目の細かさによって、以下の3種類に分けられます。

  • 細目(こまめ)
  • 中細目(ちゅうこまめ)
  • 中目(ちゅうめ)

細目と中細目は青御影と呼ばれるグレー系の色味、中目は白味の強い白御影に分類されます。なかでも細目は、現在国内で採掘されている御影石の中では最も高価な石材で、微細な石目とともに「斑(ふ)が浮く」と形容される独特の美しい斑紋を持っているのが最大の特徴と言えるでしょう。

大島石・愛媛県

大島石は、国内での流通量が最も多い国産青御影石です。石目の輝きは年を経るごとに深みを増し、オーソドックスな見た目ながらもその美しさから長年全国で墓石として愛用されてきました

丁場と呼ばれる採石場が20箇所以上存在し、ランクや種類が他の石に比べて桁外れに多いことも、大島石が人々に選ばれるひとつの理由でしょう。

その実績と信頼性から、国会議事堂や赤坂離宮・日本銀行といった公的な建物にも広く使用されています。

天山石(てんざんいし)・佐賀県

高品質な御影石として有名な天山石は、近畿以西を中心に墓石として使用されています。青御影石に分類されますが、その色味は非常に濃く、重厚なイメージを感じさせる点が人気の理由のひとつでしょう

吸水率が低く変色等にも強いことから、高い品質を求める方にはお薦めです。

北木石(きたぎいし)・岡山県

北木石は庵治中目と並んで、貴重な国産の白御影石として重用されています。

一般的なお墓に使われることはかつてに比べて少なくなったものの、墓相学に基づくお墓を建てる場合には欠かせない石材であり、今なお根強い人気を誇っています

万成石(まんなりいし)・岡山県

万成石は国産の御影石では非常に珍しい、桜御影と呼ばれる淡いピンク色の石です。

万成石を用いた墓石の数は決して多くありませんが、その優しい色合いは他の御影石には見られない独特のもので個性的な輝きを放ちます

石原裕次郎のお墓にこの万成石が使われていたことでも話題になりました。

真壁石・茨城県

石目の細かい青御影石として、古くより墓石に使われてきた歴史を持つ真壁石は、関東以北を中心に人気の高い石材です。

特に、厳しい基準をクリアした真壁石製の燈籠は経済産業大臣指定伝統工芸品とされており、その品質の高さと人気が窺えます

浮金石(うきがねいし)・福島県

数少ない国産の黒御影石である浮金石は、石の分類としては斑レイ岩となります。

外国産御影石の輸入がまだ行われていなかった時代には、貴重な黒系の石として珍重されていました。黒地の中に金色の斑が浮かび上がるのが、その名前の由来です。

稲田石・茨城県

稲田石は青御影石のなかでも白味が強く、上品な色合いを持っています。

「白い貴婦人」とも称され、石目の均一性や吸水率の低さには定評があります。長尺な石材としての採取がしやすいため、外柵(巻石)にもよく使用されています。

外国産の有名な石材

外国産の石材を日本の墓石として使用する試みは、昭和の中期頃に始まりました。その頃の外国産石材はお世辞にも良質であるとは言えず、安価なことだけが唯一のメリットでした。

しかし平成の時代に入り、現地における技術の継承や加工機械の導入などが進んでくると、一気に品質の良いものが作られるようになります。

そうして中国やインドを中心とした外国産の石材を用いたお墓も、数多く建立されるようになりました。ここではそんな外国産の石材のなかから、特によく使用されているものを幾つかご紹介致します

クンナム・インド

黒御影石の代表格とされるクンナム。その色味は漆黒と形容され、経年による退色や光沢の落ちも少ないため、高級墓石として重用されています

高額ではありますが、和型にも洋型にも似合う石として幅広く人気がある石材です。

アーバングレイ・インド

アーバングレイは青御影石に分類されるものの、若干緑がかったその色合いは他に類を見ない独特の輝きを放ちます。

全体的に吸水率が低い特性を持つインド産石のなかでもアーバングレイは特に水を吸いにくく、品質を重要視される方によく選ばれています

ニューインペリアルレッド・インド

「世界で最も赤い石」と称されているニューインペリアルレッドは、硬い石質・吸水率の低さなどの品質も抜群に良く、その色合いから特に洋型墓石としてよく使われます。天気の良い日にはその赤みが一層引き立ち、遠目にも美しく輝いて映ることでしょう。

M1-H・インド

M1-Hは緑がかった黒御影石という、珍しい色味を持つ御影石です。

外国で採れる緑色系統の御影石は供給が不安定なものが多いなか、このM1-Hは安定した石目・品質を保っています

黒龍石・中国

青御影石のなかでも色の濃い黒龍石は、その重厚な見た目と吸水率の低さから中国産のなかでも特に人気があります

経年による退色が他の石よりも若干見られやすい傾向にありますが、その他の点においては非常に優秀で、中国産青御影を代表する存在といえるでしょう。

G614・中国

白味がかった青御影石であるG614は、その価格の安さからかつては非常に人気がありました。

安価ながらも墓石としての堅牢性は充分にそなえていますが、現在では同じ中国産の黒龍石に人気の面で押され気味です

G663・中国

国産の万成石に似たピンク色を持つ桜御影石です。

その柔らかい色合いは洋型のお墓によく似合うので、昔から人気が高い石種です

同じ石材であっても石目や品質によってランク付けされている

庵治石や大島石の項目でも触れましたが、同じ名前を持つ石であってもその石目や品質によりランクが分けられているものが多く存在しますもちろん品質が良いものほど高いランクの石となります

硬度や吸水性、変色に対する強さなど、石そのものの品質が気になる方は、石材店から受ける説明を加味しながらランクを選択すると良いでしょう。

一方で石目についてはどうでしょうか。一般的には、石目のキメが細かく粒度が揃っているものほど高級な石とされています。この石目については人による嗜好も加味されるので、必ずしも「石目のランクが高い=購入者にとってその価格に見合うだけの価値がある」という訳ではありません。

キメが粗い石が好きな方もたくさんいらっしゃいますので、石目については個人の好みで選べば問題ないでしょう。

石材の品質をチェックするポイント

ひとくちに御影石と言っても、多種多様な種類があることを上の章で解説いたしました。石の見た目については、好みで選べば問題ありません。しかし、肝心の品質についてはどこをどう判断すればよいのでしょうか

主な判断要素として、以下の2つが挙げられます。

  • 吸水率
  • 硬度

これらの観点から、石材の品質について見ていきましょう。

吸水率

吸水率は、その石がどれほど水を吸いやすいか、という目安になりますこの数値が低い石材、つまり水分を吸いにくい性質を持っているものほど、品質が良い石材とされています

ではなぜ、吸水率が低い方が高品質と言われているのでしょうか。

吸水率は見た目の変化に関係する

まずひとつめの理由として、見た目の変化が挙げられます。お墓参りの際に墓石を見て、継ぎ目も何もない部分なのに色が途中で変わっているのを不思議に感じた方もいらっしゃることでしょう。

これは石が水を含んでいるために起こる現象で、色が濃くなっている部分が吸水している状態を示しているのです。多くの墓石は土と接しているため、例え雨が降らなくても、土に含まれる水分を毛細管現象によって常に吸い上げています。

逆に墓石の上部は、日に照らされたり風に吹かれたりしながら水分を放出し、乾いた状態を保とうとします。そのちょうど中間点が、色の境界線となるわけですね。

墓石全体の色が均一にならないというのが、吸水率の高い墓石の欠点です

吸水率は墓石の劣化に関係する

ふたつ目の理由は、墓石の劣化にも関係するという点です水が凍ると、その体積は約一割増加しますつまり氷点下となるような冬の日には、墓石に吸われている水も凍ってしまい、石の内部に無数にある微細な隙間を押し広げてしまうのですね

日中暖かくなれば氷は溶けて水に戻りますが、翌朝また同じ現象が発生します。これが寒い季節の間ずっと起こり続け、目に見えないほど小さい内部の空間がどんどん広がっていくのです。

すぐに悪影響が出るわけではありませんが、十年、二十年と続くと、その空間にかかる氷の圧力が無視できないレベルに到達してしまうかもしれません。

この点からも、やはり吸水率は低い方が品質が高いと判断できます。ただし吸水率が高くても、保持している水分を素早く放出する性質を持った石材もあります。そんな石の方が、吸水率が低くてもずっと水を内部に溜め続けるものよりも品質が良い、と言えるケースも考えられますね。

吸水率の数値がそのまま品質レベルに直結するわけではありませんので、あくまでも目安として捉えておきましょう

硬度

石の硬度も、品質を見るうえで重要なポイントです圧縮試験機と呼ばれる機械を用いて御影石に圧力をかけ、どこまで割れずに耐えられるかを測定した結果を数値で表したものが、御影石の硬度となります

この数値が高いものほど、高圧に耐えることができる硬い石だといえるのですね。もちろん、硬ければ硬いほど墓石として優れています。しかしこの圧縮試験だけではわからない耐久性という点も、気を付けておきたいポイントです。

いくら硬度が高くても、風雨に晒された状態で長年経過したら表面がボロボロになってしまうようでは困りものですね。硬度と耐久性はある程度の相関関係にありますが、全ての石がそうであるとは限らないのです。

しかしその耐久性を実証するための試験を行うのは、あまりにも時間がかかるため現実的ではなく、またその結果を数値化するのも簡単ではありません。そこで、長きにわたって現場で墓石を見続けてきた石材店の方の見解が重要となってきます

経験に裏打ちされた知見に耳を傾ければ、きっとより良い墓石選びの助けとなることでしょう。

失敗しない墓石の選び方

これまでの章では、墓石の種類や品質について解説いたしましたが、それでもいざ実際に墓石選びをするという場面になると、思わぬところで失敗してしまうこともあります。

墓石選びで後悔しないためには、どういったことに注意を払う必要があるのでしょうか。

  • サンプルだけで石種を選ばない
  • その石種の実績を加味して考える

この2点について、詳細を見ていきましょう。

サンプルだけで石種を選ばない

お墓を建てる時には、たくさんある石の種類の中から自分が使用するものを選ばなければなりません。その際、先に述べた石の品質や価格等は大事な要素となりますが、見た目の好みを重要視される方も多くいらっしゃることでしょう。

石材店の店内に置いてある板状のサンプルを見比べて、「この石が良い」「あの石の色はどうだ」と勘案を重ねながらの石選びはよく見られる光景です。

しかしその場合には、最終決定を下す前に必ず実行しておきたい重要なポイントがあることを覚えておきましょうそれは、墓地へ足を運び、同じ石を用いて建てられた実際のお墓を見ておく、という行為です

御影石は、室内の蛍光灯の下で見るものと、屋外で陽光に照らされた状態のものを比べると、時に驚くほど印象が変わる場合があります。お墓ができあがった後で、「サンプルで見た石と色味が違う…」というような思いはしたくありませんよね

また、サイズの違いも石の印象に影響を与えます。小さな板石で見た時は好みの色に感じたものの、大きなお墓となった時にはイメージに合わなかった、ということも起こりうるのです

もちろんサンプル石は、石種を選ぶ際の非常に有効な手段であることは間違いありません。気になる二つの石を隣同士に並べて比較したり、水を垂らして吸水による変色具合を見るといった方法は、サンプル石だからこそできることですね。

ですのでサンプルを見ながら幾つかの候補に絞り、最終的に墓地の実物で確認をする、という流れで石種を決定することをお勧めいたします

その石種の実績を加味して考える

お墓に使われる石種の実績とはどういったものなのでしょうか幾つかの点が考えられますが、そのうちの大事なひとつのポイントとして、安定した供給体制が敷かれているかどうかという点が挙げられます

これはお墓を建てたあと、時間が経ってからの話に繋がってきます。例えばお戒名を刻む場所が満杯になって霊標を追加したくなった場合や、お墓を傷付けてしまって一部を交換する必要が出たケースなどを考えてみましょう。

その時に採石場が閉鎖していれば、同じ石種は手に入らないということになってしまいます。そうなってしまうと他の石を使うしかないのですが、珍しい色の石種であればあるほど代替品をみつけにくくなります。

もちろん、今まで何十年も供給され続けてきた石種だから今後も絶対に安心というわけではありません。しかし、やはりある程度の期間において採掘され続けてきた実績がある石の方が、そういった面においては安心できますね。

特に中国の採石場は開山と閉山を繰り返すところが珍しくなく、採石場の歴史が浅い石種についてはそういったリスクが大きいということを知っておきましょう

墓石の選び方でよくある質問

ではここからは、墓石の選び方に関するよくある質問をご紹介いたします。

どうぞ墓石選びの際の参考になさってください。

Q. 中国産の石材でおすすめの種類はなんですか?

中国産の御影石で最もおすすめできる石種は、黒龍石です。

黒龍石は価格と品質のバランスが良く、中国産のなかでも特に人気がある石種となっています。濃色の青御影石であるため、建てた時に重厚感が出ることも多くの方に選ばれる理由のひとつでしょう。

黒龍石選びは石材店選びが重要

ただし黒龍石を使用する場合には、他の石を選ぶ時と比べて、特に信頼できる石材店選びが重要になってきますというのも、かつて黒龍石は現地の業者による生産段階での不正が見られた石なのです

その不正とは、石を丸ごと薬液に浸す「漬け(づけ)」と呼ばれるものでした。これを行うことで、表面の傷は一時的にわからなくなり、石の色合いもより濃く黒光りするようになります。

しかし薬液の効果は時間とともに薄れていくので、年が経つにつれて表面の傷があらわになり、色も落ちていってしまうのです。

現在では、こういった不正行為は非常に少なくなりました。ですが、現地の工場に対する管理体制がしっかり取れていない石材店、あるいは自社の利益最優先である程度の不正には目をつむるような石材店では、まだ「漬け」がなされた黒龍石を使用している可能性があります

もともと黒龍石は他の石に比べて退色しやすい性質を持っており、色が褪せただけで不正行為が行われていた石材であると断定はできないのですが、建ててから何年も経ったあとでは、傷や退色が自然に起こったものなのか判別が難しいですね。

ですので、その石材店が信用に値するお店なのかどうかは、購入前に見極めておきたいポイントなのです。

ただ繰り返しになりますが、現在ではこの「漬け」行為はほとんど見られなくなっているので、過度な心配は必要ありません。そしてそんな不正を行わずとも、黒龍石は素のままでも非常に品質の良い石です。

信頼できる石材店にお願いすれば、きっと満足のいくお墓に仕上がることでしょう。

ちなみに現在墓石として使われる黒龍石には主にK-11とK-12の二種類が存在し、より品質が高いのはK-12となります。両者の価格相場には少し開きがあるので、予算が心許ない場合であればK-11を選んでもよいでしょう。

K-16という品番も存在しますが、見た目も品質もK-12とほぼ同等のものとなっています。

Q.変色しにくい石にはどんなものがありますか?

石の変色には、主に以下の3つのパターンがあります。

  • 吸水による変色
  • サビによる変色
  • 色褪せ

それぞれの詳細を、以下に見ていきましょう。

吸水による変色

吸水による変色については、「吸水率」の章で既に述べたとおりです。

石は水を吸った部分だけ色が濃くなり、乾いているところと色の境界がくっきり出てしまいます。水を吸いにくい、あるいは水を吸ってもすぐに放出しやすい石であるほどこの現象は起きにくくなると言えるでしょう。

サビによる変色

サビによる変色とは、石に含まれる鉄分が時間の経過とともに錆びてしまい、表面が赤茶けた色になってしまうことを指します

石の中の鉄分が少ないほど、このサビによる変色は出にくくなります。また鉄のサビは水分によって誘発されるので、吸水率も低い方が錆びにくいということになりますね。

色の濃い石であれば、たとえサビが出てもわかりにくいという利点があるので、黒御影をはじめとする濃色系の石を選ぶというのもひとつの方法です。

色褪せ

墓石の色褪せは、主に太陽光を浴び続けることで発生します。この太陽光に含まれる紫外線は、色々な物質を破壊するほどの高いエネルギーを持っている電磁波として知られています。

陽の光が当たる場所に本棚を設置すると、並べてある本の背表紙がすぐに退色してしまいますよねこれと同じ現象が、もっとゆっくりとではありますがお墓にも起こっているのです

石の種類によって、この退色現象が起きやすい石と起きにくい石があるので、石材店の方に聞いてみると良いでしょう。

しかしこれらのお墓の変色を、一概に良くないものだと決めつける必要はありません。そもそも絶対に色が変わらない石というものは、この世に存在しないのです。

色の変化は今までお墓が歩んできた歴史が刻まれたものだと考えれば、更にお墓への愛着が湧くかもしれませんね。

最後に

今回解説した墓石の選び方はいかがでしたでしょうか。よほど丁寧な石材店でないと教えてもらえない情報を、余すことなくお伝えできたかと思います。

お墓選びに「次の機会」というものはほぼ存在しません。ですので実際に購入する前に、ぜひ失敗しない墓石の選び方をマスターしておきましょう。

本記事が、少しでもその際のお役に立てれば幸いです。

この記事を監修した人

加藤隆太
加登隆太
株式会社加登 取締役社長

慶応義塾大学経済学部卒業。卒業後、家業の墓石販売業を引き継ぐため株式会社加登へ入社。現場でのお客様との接客経験を経て、平成27年に同社取締役社長に就任。全国優良石材店の会理事・大阪支部長・ICT委員を歴任後、現在全国石製品工業組合理事として活躍中。

玉井嘉孝

玉井嘉孝

株式会社加登 統括マネージャー

西浦高校卒業。学生時代から仏教や死生観に興味があり、あらゆる本を読みあさる。卒業後、お墓業界に身を置いて30年。長年現場でお客様のお悩みを解決したのち、現在は株式会社加登の統括マネージャーとして社内研修の講師・社外でのお墓セミナー講師としても活躍中。

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