お墓の管理費とは?費用相場や滞納した場合の事例など徹底解説

お墓を建てるには高額な費用が、様々な面でかかります。

多くの方は墓地の永代使用料や墓石の建立費を検討材料にされると思いますが、管理費についてはあまり重要視されない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

恐らくそこには、他の費用に比べて金額が小さい、という理由があるのでしょう。

しかし、ひとつ重要な点を見落としがちです。墓地・墓石にかかる金額は初期費用として一度の出費で済みますが、管理費は今後お墓を維持する限り、十年先も百年先も支払い続ける必要があるのです

高すぎる管理費は先の世代へ負担を残すことになりますし、逆に安すぎる場合でも墓地の維持管理が今後もきちんとされるのか、という不安に繋がります。

適正な管理費の相場とはどれくらいなのか、そもそも管理費とはいったい何のために支払わなければならないのか、今回の記事ではそういった疑問を解消してまいります。

お墓の管理費とは

お墓にかかる管理費とは、墓地内の共用部分を維持管理していくために、所有者全員で出し合うお金のことを指します。マンションなどで支払う管理費と同じ目的のものと言えるでしょう。

管理費がなければ墓地内の各施設を維持することができず、様々な点で支障が出てきてしまいます。

いつでも快適なお参りができるよう、管理費は重要な役割を持っているのですね。

お墓の管理費の使い道

私たちが支払う管理費は、具体的にどのような目的で使われているのでしょうか。

代表的なものに、以下のような使い道があります。

  • 水場の整備費や水道代
  • 通路の補修費
  • 墓地内の清掃費
  • 管理棟の維持費
  • 送迎バスの運行費

小規模な墓地で管理棟が無かったり、立地が良くて送迎バスが不要だったりといった例外もありますが、どの項目も気持ちの良い墓参りには欠かせないものばかりです。

もちろん墓地によって管理費の使われ方は様々ですが、参拝者の利便性を維持するためという目的に変わりはありません。

お墓の管理費の相場

では墓地の管理費は、幾らくらいかかるものなのでしょうか。多くの場合は区画の広さ別に金額が定められており、広い墓所であればあるほど管理費は高くなります

また墓地の種類によっても相場は変わってきます。主に墓地・霊園の種類は以下の3通りです。

  • 寺院墓地
  • 公営霊園
  • 民間霊園

それでは、それぞれ詳しく説明していきます。

寺院墓地(年間:5,000円~30,000円)

寺院の境内にある墓地に支払う管理費は、お寺を存続させる為の護寺費としての側面を持ち合わせています。

ですので公営霊園や民間霊園に比べ、管理費は高めに設定されていることが多くなっています。そのぶん宗派の作法に則った手厚い供養が望めることでしょう。

またお墓を建てる際にその寺院の檀家となっていれば、管理費以外にも色々な行事の会費や寄付金が必要となる場合があることも知っておく必要があります。

※檀家の用語解説追記※(入稿時対応)

公営霊園(年間:1,000円~15,000円)

各地域の自治体が運営している公営霊園は、比較的管理費が安めに設定されていることが多く、その点は大きな魅力のひとつです

しかし、なかには水場や通路の整備があまりされていない霊園も見受けられますので、管理費の安さだけで判断するのは避けるべきです。

必ず現地を確認し、しっかりとした管理がされているかどうかを見ておきましょう。

また自治会で管理者を持ち回りしている共同墓地などのなかには、管理費を徴収しないところも稀に存在します。

民間霊園(年間:3,000円~20,000円)

寺院墓地や公営霊園と比べて、民間霊園は最もしっかりした管理が期待できるでしょう。駅からの送迎バスや空調の効いた休憩所など、快適なお参り設備が充実しています。

幅広い区画の選択肢があり、墓所の広さによって管理費も大きく変わってきますので、購入前に設備に見合った管理費なのかどうかをしっかりと見極めましょう。

お墓の管理費を支払わないとお墓は撤去される

管理費を支払わなければ、お墓はいったいどうなってしまうのでしょうか。

結論から言うと、墓地の永代使用権を失い、最終的にはお墓が撤去されてしまいます…いきなり怖くなるようなことを書きましたが、ご安心ください。管理費を滞納したからといって、すぐにお墓がなくなる訳ではありません

まずは管理者から手紙や電話で再通知が来るので、単に納付忘れだった場合はその時に気が付くことができます。

また引越しをして連絡先が変わった場合などでも、墓所にメッセージを残したり、墓地申込時に提出された住民票から移転先を探したりと、管理者は様々な方法で連絡を取ろうとしてくれます。

しかし管理費が支払われず連絡も取れない状態が長期間続くと、墓地管理者は所定の手続き(注)を踏んだのちにお墓を撤去することができるようになります

そのような事態をまねかないように、引越しの際や名義人の変更時はきちんと届け出を出しておきましょう。

(注)墓地管理者は正当な理由がある場合に限り、官報へ無縁墳墓等改葬公告を掲載したのち、名義人本人あるいはその関係者から一年以上にわたって一切の連絡がなければ、お墓を撤去することが認められます

管理費の滞納から撤去までの期間はどれくらい?

ではどれくらいの期間、管理費の滞納が続けば、お墓は撤去されるのでしょうか。

既にお墓を持っている方であれば、墓地規約を見てみましょう。もしかしたら6ヵ月や1年と書いてあるかもしれません

しかし実際には、墓地規約に記載されている期間よりもずっと長い、十数年ほどの期間を猶予とするケースが大半です。

それには理由があり、名義人の不可抗力で連絡が取れなくなる可能性が考えられるからです。例えば急な病気による入院や、長期の海外出張といったケースが考えられるでしょう。

数年ぶりに墓参りに行った際、お墓そのものがなくなっていては大変ですよね。

ですので墓地の管理者は、そういった不測の事態も考慮したうえで長期間の猶予をみているのです。ただし、定期的に墓参りには来ているのに管理費は支払わないといった悪質な場合であれば、最短期間での撤去も充分あり得ますのでご注意ください

お墓の管理費が支払えない場合の手段

お墓の管理費が支払えなくなった時には、どうすれば良いのでしょうか。

まずは墓地の管理者に相談してみましょう。場合によってはしばらく待ってくれたり、分割での納付が認められたりと、柔軟な対応をして頂けるかもしれません

しかしその後もお墓を存続させるためには、管理費を支払い続ける必要があります。

それが難しい場合は、墓じまいをして遺骨を別の場所に移しましょう。遺骨をどこに持っていくかは、幾つか方法があります。

  • 永代供養
  • 散骨
  • 手元供養

代表的なこの3つの方法について、以下で解説いたします。

永代供養

墓じまいをしたあとは、永代供養をするというのが最も一般的な方法になります

永代供養には様々な種類があり、合祀墓に納める、霊園型樹木葬に納骨する、永代供養墓を建てる、といったものがあります

いずれも寺院のご住職から永代にわたって(或いは期間を区切って)供養をして頂けますので、お参りに行けなくなっても安心できる供養方法です。

散骨

遺骨をパウダー状にして海や山に撒くという方法が、散骨にあたります

ただしどこに遺骨を撒いても良いわけではなく、指定された区域や方法以外での散骨は違法となる恐れがありますので、専門の業者に依頼しましょう

再度散骨した場所を訪れて手を合わせることは難しいので、供養という意味合いは薄くなります。無宗派の方が好む方法といえるでしょう。

手元供養

遺骨を自宅に保管し、自分自身で供養を続けることを手元供養と呼びます

リビングに置いても違和感のないデザインの骨壷や、常に故人を身近に感じられる遺骨ペンダントなど、多彩な手元供養の商品が販売されています。

目的に沿ったものを探せば自宅で供養を行うことができるので、手軽な方法といえるでしょう。ただし代が途絶えた際に、遺骨の行く先がなくなってしまう点には注意が必要です。

他の方法で正式に供養や埋葬をするまでの、一時的な手段と考えておきましょう。

お墓の管理費でよくある質問

ここからは、お墓の管理費に関してよくある質問を紹介してまいります。

毎年、あるいは数年ごとに必要となる出費ですので、この機会に管理費に関する疑問は解消しておきましょう。

Q. お墓の管理費は親族の誰が支払うべきですか?

お墓の管理費は親族内の誰が支払っても、問題有りません。基本的に墓地の名義人へ請求が来るので、支払い手続きは名義人本人あるいはその代理人がすることになります。

もちろん名義人以外の方が管理費を負担しても問題有りませんが、多くの場合はお墓を建てた本人がそのまま管理費も支払うのが一般的です。

別の方が負担したり親族内で分担する場合は、親族全員が納得できる方法を事前によく話し合っておきましょう。

Q. お墓の管理費に渡し方の決まりやマナーはありますか?

管理費の支払いは、手渡しや銀行振込(あるいは引き落し)が主な方法になります。

銀行振込であれば、所定の期日までに手続きをするだけで問題ありません。手渡しで管理費を支払う場合は、はだかのままの現金ではなく封筒に入れて渡すようにしましょう

この封筒は、茶封筒など簡素なもので構いません。急な場面で適当な封筒が手元にない場合は、ティッシュに包むのも一つの方法です。

人と人が接する場面ですので、お互いに気持ちの良いやり取りができるようにこころがけましょう。

Q. お墓の管理費は値上げされることもありますか?

お墓の管理費が値上げされることは、充分に考えられます。先にも述べたように、管理費は霊園の維持管理を目的として使われています。

社会情勢の変化に伴う物価の変動などで、現状の管理料ではサービスを維持できないと管理者が判断した場合は、値上げもやむを得ないでしょう

Q. お墓の管理費に時効などはありますか?

滞納したお墓の管理費には時効が存在します

これは民法において「年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年

間行使しないときは、消滅する。」と定められています。

つまり、5年が過ぎれば時効となるわけです。管理費が時効になって支払い義務がなくなったとしても、お墓が撤去されてしまう可能性はありますので、忘れずにきちんと納付するようにしましょう。

まとめ

今回は普段あまり注目することの少ない、お墓の管理費について解説いたしました。

私たちが快適にお参りができるのは、管理費あってこそということがおわかり頂けたかと思います。

墓地に行った際、どんなところに管理費が使われているのかを考えながら周りを見てみると、新たな発見があるかもしれませんね。

この記事を監修した人

加藤隆太
加登隆太
株式会社加登 取締役社長

慶応義塾大学経済学部卒業。卒業後、家業の墓石販売業を引き継ぐため株式会社加登へ入社。現場でのお客様との接客経験を経て、平成27年に同社取締役社長に就任。全国優良石材店の会理事・大阪支部長・ICT委員を歴任後、現在全国石製品工業組合理事として活躍中。

玉井嘉孝

玉井嘉孝

株式会社加登 統括マネージャー

西浦高校卒業。学生時代から仏教や死生観に興味があり、あらゆる本を読みあさる。卒業後、お墓業界に身を置いて30年。長年現場でお客様のお悩みを解決したのち、現在は株式会社加登の統括マネージャーとして社内研修の講師・社外でのお墓セミナー講師としても活躍中。

カテゴリー:
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