神社でも永代供養は行うことができる?費用や流れについて徹底解説

「永代供養(注)」という言葉は、お墓における歴史のなかで比較的新しい時代に生まれました。

家制度が強く根付いていた頃の日本では、血筋が途絶えない限り、自分達の手によって先祖供養を続けていくことが当然と考えられていたのです。

しかし時代が移り核家族化が進むと、代が途絶えなくともお墓をたたむという選択をする方が少しずつ増えてきました。その際に取り出した遺骨を永代にわたって供養してもらう、いわゆる永代供養という概念は、昭和60年頃に始まります。

そのあと一般に広く認知されるようになったのは、平成の時代に入ってからの話です。縄文時代からあったと言われるお墓に比べれば、まだまだ短い歴史なんですね。

そんな永代供養ですが、最初は仏教寺院から始まったこともあり、なかなか神道では広く行き渡りませんでした。現在においても、神式で永代供養をして頂ける場所を見つけられず、やむ無く仏教の様式でお願いする方が多くいらっしゃいます。

では本当に、神式で永代供養は受けられないのでしょうか?

今回はそんな悩みをお持ちの方のために、神社と永代供養について触れてまいりま

(注)「供養」は仏教由来の用語なので、神道の場合は「永代祭祀(えいたいさいし)」が正式な名称になります。しかし供養という言葉は、宗派に関わらず故人を悼む意としてすでに日本語に定着していますので、本記事では馴染みのある「永代供養」という表現に統一させて頂きます。

永代供養ができる神社は増えている

現在ある永代供養の施設は、その多くが仏式によるものです。

しかし最近では、神式の永代供養を行う神社も増えてきました。一箇所に遺骨を集めて供養を行う合祀墓や、個別に納0骨できる神棚式納骨堂など、そのスタイルも様々です。

これまで永代供養を考えてはいたものの宗教の違いに壁を感じていた神道の方にとっては嬉しい話ですね。

お寺の永代供養との違い

神式と仏式の永代供養に違いはあるのでしょうか。

基本的には、供養をして頂ける方が神主さんかご住職かの違いになります。もちろん神主さんは神道の儀式にのっとって永代供養を行いますので、使用される祭具や供養方法も異なってくるでしょう。

そういった宗教に起因するもの以外は、大きな違いはありません。

神道式永代供養の流れ

実際に神式で永代供養をお願いすることになったら、どのように話を進めていけばよいのでしょうか。

以下に、大まかな流れを説明いたします。

事前準備

  1. 合祀墓、あるいは納骨堂への申込み手続きを完了させる
  2. 納骨の日取りを決定する
  3. 神主さんへお渡しする玉串料を準備する
  4. 「神饌(しんせん・みけ)」と呼ばれるお供え物を揃える(注)
    (注)米・塩・水・酒とともに、野菜や果物・故人の好物などを捧げます

納骨当日

  1. 遺骨と神饌を持参する
  2. 遺骨を渡し、神饌を供える
  3. 神主さんに従い、玉串の奉納と拝礼をおこなう
  4. 納骨式が終わったのちに、玉串料を神主さんに手渡す

施設によって作法に違いがありますので、詳しくは神主さんや管理者から事前に話を伺っておきましょう。

神道式永代供養の費用

では永代供養をお願いするには、どれくらいの費用をみておけばよいのでしょうか。

神式の永代供養には大きく分けて合祀墓と納骨堂がありますので、それぞれについてご紹介いたします。

合祀墓(10万円~50万円)

他の遺骨と共に、ひとつのお墓に埋葬する方法です。

費用相場は、遺骨一体あたりのものとなります。

納骨堂(50万円~200万円)

遺骨を何体まで納めることができるかによって、費用相場が異なります

1~2名を納めるスペースを持つタイプであれば50万円から、一家4人が入れるものであれば80万円くらいからとみておきましょう。200万円近くする、神棚を模した豪華な造りのものも存在します。

神道式永代供養に関するよくある質問

最後に、神道での永代供養に関するよくある質問をご紹介致します。

同じ疑問をお持ちの方は、お役立てください。

Q. 神社にも墓地はあるんですか?

神社の敷地内には、基本的に墓地は存在しません

神道では死を穢れとみなしていることがその理由で、死の象徴であるお墓を社の近くに建てることは良しとされていないのです。境内に墓地を持つ仏教とは異なる考え方ですね。

そのため以前は、神道の方が墓地を探す際の選択肢は公営霊園か民間霊園に限られていました。

しかし最近では、敷地から少し離れた場所に墓地を持つ神社も増えてきています。祭祀の方法や墓地の様式が全て神式ですので、神道の方にとっては安心してお参りができる環境が整っています。

まだ数は多くありませんが、自宅の近くに無いかどうかを探してみましょう。

Q. 神社にも納骨堂はあるんですか?

神社が経営主体となっている納骨堂は、都市部を中心に数が増えてきました。墓地とは違って神社の敷地内に作られることもあるほか、交通の便が良い駅前や市街地といった場所にも存在します。

雨天でも気軽にお参りができたり、車椅子に対応するバリアフリーであったりと、利便性にも富んでいます。

Q. 黒住教の永代供養はどこで行えばいいですか?

黒住教とは、江戸時代に開かれた神道十三派のうちのひとつで、永代供養には積極的に取り組んでいる宗派です。本部のある岡山と京都に「霊苑殿(れいえんでん)」「祖霊殿(それいでん)」と呼ばれる施設を持っています。

  • 岡山市北区にある、神道山・霊苑殿
  • 同じく岡山市北区の、大元 宗忠神社・祖霊殿
  • 京都市左京区の、神楽岡 宗忠神社・祖霊殿

お近くでご検討の方は、一度現地へ見学に行ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は神道の永代供養についての解説でした。

まだまだ施設の数としては少なく、全国に充分行き渡っているとはいえません。しかし自宅の近くに見つけることができれば、永代供養を検討されている神道の方にとっては大変心強いことでしょう。

そういった皆様のお役に立てたなら幸いです。

この記事を監修した人

加藤隆太
加登隆太
株式会社加登 取締役社長

慶応義塾大学経済学部卒業。卒業後、家業の墓石販売業を引き継ぐため株式会社加登へ入社。現場でのお客様との接客経験を経て、平成27年に同社取締役社長に就任。全国優良石材店の会理事・大阪支部長・ICT委員を歴任後、現在全国石製品工業組合理事として活躍中。

玉井嘉孝

玉井嘉孝

株式会社加登 統括マネージャー

西浦高校卒業。学生時代から仏教や死生観に興味があり、あらゆる本を読みあさる。卒業後、お墓業界に身を置いて30年。長年現場でお客様のお悩みを解決したのち、現在は株式会社加登の統括マネージャーとして社内研修の講師・社外でのお墓セミナー講師としても活躍中。

カテゴリー:
株式会社加登_バナー

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